2025.08.11

キッチン扉の素材を選ぶ前に知っておきたいこと

#快適な住まいづくり #暮らしの工夫
キッチン扉の素材を選ぶ前に知っておきたいこと

カタログを見ていると、キッチンの扉だけでも色や素材のバリエーションが豊富で、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は、キッチン扉に使われている代表的な「面材」の種類と、それぞれの特徴、そしてキレイな状態を長持ちさせるためのちょっとしたコツをご紹介します。

面材(めんざい)とは?

キッチン扉に使われる「面材」とは、芯材(合板やMDFなど)の表面に貼る仕上げ材のこと。見た目や手触り、耐久性に大きく関わる部分で、素材選びがそのままキッチンの印象を左右します。

メーカーやグレードによって使われる面材はさまざまですが、大きく分けると以下のような種類があります。

1. 化粧シートタイプ

現在のキッチン扉で最もポピュラーなのが、オレフィンシートやFFシート、DAPシートなどの「化粧シート仕上げ」です。

このタイプは、見た目のデザインが豊富で、木目調や単色、マット仕上げなどさまざま。比較的リーズナブルな価格帯ながら、水や汚れにも強く、日常のお手入れも簡単です。

ただし、シートの継ぎ目や角の部分から水が入り込むと、剥がれや浮きの原因になることも。濡れた手で触ったり、濡れた布巾を扉に掛けたままにしないよう、日頃から気をつけましょう。

2. 塗装タイプ

LIXIL クレストレッド

板にウレタン塗料などを吹き付けて仕上げた「塗装扉」は、角まで一体的にコーティングされており、水や汚れが入り込みにくい構造です。

光沢のある鏡面仕上げや、マットでしっとりした質感など、高級感のあるデザインが特徴。手作業で塗装されるものも多く、価格はやや高めですが、耐久性や意匠性に優れています。

高級感を重視したい方や、シンプルながら存在感のあるキッチンを好む方にはおすすめです。

3. 天然木・合板タイプ

LIXIL テルウォルナット

天然木を使用した面材は、木の質感や風合いをそのまま楽しめる点が魅力です。無垢材や突板(つきいた)を使ったタイプがあり、ウレタン塗装などで表面を保護して使用されます。

傷や汚れにも比較的敏感なため、丁寧な扱いが求められます。自然素材ならではの風合いに惹かれる方にとっては、その手間も含めて楽しみのひとつかもしれません。

4. メラミンタイプ

LIXIL アッシュグレイン

メラミン化粧板は、キッチンパネルでもよく使われている耐久性の高い素材です。

熱や傷、汚れに非常に強く、調味料や油などがついてもさっと拭き取ればOK。摩擦にも強いため、長期間使っても見た目の劣化が少ないのが大きなメリットです。

ただし、デザインの選択肢はやや少なめで、好みに合う色柄が見つかるかはメーカー次第です。

5. ステンレスタイプ

クリナップ

ステンレスはプロの厨房でも使われる定番素材。汚れや水に強く、カビやニオイもつきにくいため、衛生面を重視する方にはぴったりです。

近年はマット仕上げやカラーコーティングされた製品も増えており、無機質になりすぎないおしゃれな印象のものも登場しています。

注意点としては「もらいサビ」。他の金属が接触したまま放置されると、サビが移ることがあるため、こまめに拭き取る習慣を心がけましょう。

6. ホーロータイプ

タカラスタンダード

鉄のベースにガラス質のコーティングを施した「ホーロー」は、耐久性と清潔感を兼ね備えた素材です。

熱や汚れに強く、臭い移りが少ないほか、ホルムアルデヒドなどの有害物質も発生しません。環境にもやさしく、長く使えるのが魅力。

一方で、本体や扉の重量が重くなるため、人によっては少し使いづらく感じることも。また、ややレトロな印象があるため、空間に合うかどうかも検討ポイントです。

キッチン扉を長持ちさせるコツ

どの素材を選んだとしても、日頃のお手入れが耐久性を左右します

以下のポイントを意識するだけでも、扉の美しさがぐっと長持ちします。

  • 水や油がついたら、なるべく早く拭き取る

  • 濡れた布巾や手ぬぐいを扉に掛けない

  • 強い洗剤や硬いスポンジは使用しない

まとめ

キッチン扉に使われる面材には、それぞれにメリットと注意点があります。

「デザイン性」「お手入れのしやすさ」「耐久性」など、自分にとって優先したい条件を整理したうえで、素材を選ぶことが大切です。

毎日使う場所だからこそ、見た目と機能のバランスをしっかり考えて、納得のいくキッチンを実現してみてくださいね。

※この記事は、過去に公開したブログ記事をもとに、内容を一部加筆・再編集したものです。