2025.07.11

現場レポートvol.3

設備と見えない工夫 ― 快適さを裏で支える設計と施工

#快適な住まいづくり #暮らしの工夫
現場レポートvol.3</p>設備と見えない工夫 ― 快適さを裏で支える設計と施工

名古屋市守山区・大森のモデルハウスでは、仕上げに向けた工事が進む中、見えなくなる“裏側”の工夫にも注目したいところです。

今回は、暮らしの快適さに直結する「設備」と「配線」に焦点をあて、現場で行われた工夫や調整についてご紹介します。

水まわりの配置と配管ルート

今回のモデルハウスでは、キッチンや浴室、洗面台といった水まわりの位置を一部変更しました。

日々の使い勝手を見直し、大胆に配置調整することで動線がよりスムーズになるよう設計されています。

これにより、床下では新たな給排水ルートが必要になりました。配管は基本的に床下を通しますが、既存の構造材や、断熱材との取り合いを考慮しながら、排水勾配を確保するなど、慎重な計画と現場調整が求められました。

「どれだけスムーズに水が流れるか」「点検や補修がしやすいか」といった“見えない安心”を確保するのも、現場の技術力です。

照明・コンセント・スイッチの最適化

快適な暮らしをつくる上で、照明やコンセント、スイッチの位置は非常に重要です。

今回は、暮らしのシーンを想定して位置や高さを検討しました。キッチンや洗面室では、家事動線を妨げず、手元をしっかり照らす配置に。スイッチの位置も「動線の起点で自然に手が届くかどうか」にこだわっています。

見た目には目立たない部分ですが、住み始めてから「ここにあってよかった」と実感できる工夫です。

天井裏や床下での見えない工事

照明の配線や換気ダクトなどは、天井裏を通ってつながっています。今回は天井高との兼ね合いや梁の位置を見ながら、干渉を避けて美しく納める工夫をしています。

また、今後の点検に備えた点検口の配置なども、現場とデザイナーで検討し位置を調整しました。

天井裏や床下のように、住んでからはほとんど目にすることのない部分こそ、施工の質が問われる場面です。

担当者の声:「図面にない判断が現場にはある」

施工を担当した現場監督はこう語ります。

「図面上では成立していても、実際に現場を見ながら“どう納めるか”を判断する場面は多いです。職人さんとも話し合いながら、“これが一番長く安心して使える”という方法を選ぶようにしています」

図面や仕様書には表れにくい、経験と判断による対応こそが、リノベーション工事の真価です。

次回予告

次回はいよいよ最終回。完成直前の仕上げや性能チェックについてご紹介します。
“完成”とは何か──その意味を、現場目線でお届けします。