体験すること

はじめに
新築でもリフォームでも、設備や仕様を選ぶ場面では、メーカーのショールームを訪れたことがあるという方も多いのではないでしょうか。キッチン、浴室、トイレ、洗面といった水回り設備はもちろん、窓や玄関ドア、エクステリアなども、実際に目で見て、手で触れて体感できるのがショールームの魅力です。
私たちも日々の打ち合わせの中で、ショールームを活用する機会が多くあります。実物を見ながら仕様を一つひとつ確定していくプロセスは、お客様にとっても「選ぶ楽しさ」を実感できるひととき。来館された方々がワクワクした表情で話を弾ませている様子が、とても印象的です。
たとえば、車を購入する時は、多くの方が販売店に足を運び、外観を見たり、内装に座ってみたり、時には試乗したりしながら比較検討をしますよね。住まいづくりでも同じように、「体感する」ことでイメージとのギャップが埋まり、思わぬ気づきや新しい選択肢との出会いにつながることがあります。
では、せっかくのショールーム見学をより充実したものにするには、どんなポイントに気をつければ良いのでしょうか。ここからは、ショールームを上手に活用するためのコツをご紹介します。
ショールーム活用のポイント
1. 事前準備をしっかりと
ショールームを訪れる前に、「自分たちは何を確認したいのか」「どんな暮らしをしたいのか」といった希望を整理しておくことが大切です。たとえば、キッチンであれば調理スペースの広さや収納力、掃除のしやすさなど。浴室であれば、浴槽の形や高さ、手すりの位置、安全性など、重点的に確認したいポイントをあらかじめリストアップしておきましょう。
また、カタログやWEBサイトである程度の情報を見ておくと、現地での見学がよりスムーズになります。「あの商品を実際に見たい」と目的がはっきりしていれば、限られた時間の中で効率的に比較検討ができます。
2. 実際に触れて、体験する
ショールームの最大の利点は、商品を「体験」できることです。引き出しや扉の開閉のしやすさ、取手の手触り、水栓の動きや高さ、窓の開け閉めの音の静かさまで、カタログでは分からない部分を自分の感覚で確かめることができます。
浴室については、実際に入浴体験ができる設備の整ったショールームもあります。湯船の深さや出入りのしやすさを確かめるには、実際に体を動かしてみるのが一番です。ショールームは見るだけではなく、「使ってみる場所」として積極的に活用しましょう。
3. スタッフと積極的に話す
ショールームに常駐しているスタッフは、それぞれのメーカーの商品知識に精通したプロフェッショナルです。「どの商品が自分たちの暮らしに合っているか」「日々の使い方に合う機能は何か」など、疑問や不安を相談すれば、的確なアドバイスをもらうことができます。
また、「この商品の注意点は?」「掃除はしやすい?」「交換やメンテナンスの頻度は?」といった具体的な質問をすることで、カタログでは得られない実用的な情報も得られます。せっかくの機会ですから、遠慮せずにどんどん聞いてみましょう。
4. 家族の意見を取り入れる
家づくりやリフォームは、家族全員が関わる大きなプロジェクトです。だからこそ、使う人それぞれの視点で選ぶことが大切です。たとえば、キッチンに立つことが多い人だけでなく、入浴するお子様や高齢の家族のことも考えてショールームを見て回ることで、使い勝手の違いに気づけることもあります。
家族みんなで訪れることで、「この高さはどう?」「この動きは大丈夫そう?」と自然な会話も生まれ、暮らしのイメージがより具体的になるでしょう。
まとめ
ショールームは、ただ商品を選ぶ場所ではなく、「これからの暮らし」を想像しながら、住まいづくりの楽しさを体感できる場所です。カタログやWEBだけでは得られない「リアルな発見」が、現地にはたくさんあります。選ぶ過程そのものが、これからの暮らしをよりワクワクするものに変えてくれるはずです。
ぜひ、ショールームを活用して、五感で住まいを感じながら、自分たちに本当に合った“納得のいく選択”をしてみてください。そして、そのプロセスを、家族との大切な思い出としても楽しんでいただければと思います。