2025.08.04

換気のおはなし

#快適な住まいづくり #暮らしの工夫
換気のおはなし

今回は、住宅における「換気」と「換気設備」についてお話しします。

住まいの中には、さまざまな換気設備があります。たとえば、キッチンや浴室、トイレなどには局所換気用の換気扇が設置され、リビングや寝室などの居室には、24時間換気システムの給気口や排気口が設けられています。これらは、においや湿気、二酸化炭素などを排出し、新鮮な空気を取り込むために必要な仕組みです。

私たちが快適で健康に暮らすためには、断熱性や気密性だけでなく、「適切な換気」がとても重要になります。


換気方式は3種類あります

住宅の換気方法は、大きく以下の3種類に分類されます。

  1. 第1種換気

     給気・排気の両方を機械(ファン)で行う方式。換気量や空気の流れを正確にコントロールできるため、高断熱・高気密住宅にもっとも適した方式です。熱交換機能を備えた換気扇を使えば、温度変化を抑えて換気ができます。

  2. 第2種換気

     給気を機械で行い、排気は自然に任せる方式。外から新鮮な空気を積極的に取り入れることができますが、排気が不安定になりやすく、主に病院の無菌室などで使われます。一般住宅ではほとんど採用されていません。

  3. 第3種換気

     排気を機械で行い、給気は自然に任せる方式。従来の住宅で多く使われてきた方式で、コストは抑えられますが、給気が外気まかせのため、計画的な空気の流れをつくるのが難しい場合もあります。


高断熱・高気密住宅では「第1種換気」が有効

最近の住宅は、断熱性・気密性の高い性能を持つものが増えてきました。そのような住宅では、昔のように窓を開けて空気を入れ替える「自然換気」だけでは、十分な換気量を確保することが難しいことがあります。

とくに夏や冬など、外気との温度差が大きい季節には、窓を開けると室内の快適な空気環境が一気に崩れてしまいます。

そこで有効なのが、熱交換型の第1種換気です。

この方式では、排気と給気の間で熱交換を行うことで、室内の空気の温度を外気に伝え、温度差を小さくした状態で新鮮な空気を取り込むことができます。

たとえば、夏場に外の35℃の空気が室内に入ってくるときでも、室内から出ていく排気の25℃と熱交換を行えば、取り込まれる空気の温度を30℃程度まで下げることができます。冷房負荷を軽減し、快適性を保ちながら省エネにもつながるのです。


室温だけでなく、空気の質を守る役割も

さらに、熱交換型換気扇の中には、花粉やPM2.5などをカットする高性能フィルターを搭載したものもあり、外気の汚れを抑えながらきれいな空気を取り込むことができます。

これにより、温度・湿度だけでなく、空気の質もコントロールできるようになり、健康的な住環境づくりにもつながります。


高性能な住宅でこそ、「どのような換気方式を採用するか」が重要です。とくに断熱・気密の性能を十分に活かすには、熱交換型の第1種換気を導入することで、快適性・省エネ・健康の3つの価値をバランスよく実現することが可能になります。

モデルハウスには、熱交換型換気扇も設置しています。実際の快適性を体感されたい方は、下記の予約フォームよりご予約ください。

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